密教ヨーガ

タントラヨーガの本質と秘法

A5判上製 237頁 ISBN-87960-021-0-C0014 1978年6月発行
本体 2,000円 + 税


まえがき

 ヨーガという言葉が、巷間に聞かれるようになってから、すでに二十年はたつでしょう。けれども、その問、ヨーガというと、アクロバット風の体操のように思われてきたのも事実です。実際に、ヨーロッパ、アメリカ、日本に入ってきたヨーガは、この二十年ほど、主としてハタヨーガ(身体的訓練を主としたヨーガ)の体操を教えています。けれども、この数年、アメリカ、ヨーロッパでは、体操のヨーガから脱皮して、ヨーガ本来の瞑想を中心としたヨーガが、ようやく盛んになってきました。  

インドの、あるヨーガのグル(師匠)は、アメリカでTM法(超越的瞑想法)を教え、ここ数年間、それがアメリカの若者たちの間に、爆発的な勢いで拡がっています。これは、筒単な、異なったマントラ(真言)を、各人に秘密のうちに教え、実修者はそれを毎日、一定の時刻または常時唱えつづける瞑想法です。日蓮宗の人々が「南無妙法蓮華経」というお題目をとなえて勤行をしたり、真宗の人たちが「南無阿弥陀仏」と唱えるのと似た行法です。

 このマントラを唱え続け、マントラそのものになりきるTM法によって、身心が落ちつき、性格が明るくなったり、積極的に物事を行なえるようになったり、ノイローゼが治ったなどの体験的な報告や、生理・心理学者の研究報告が多数あります。日本でも、ここ2〜3年の間に、ハタヨーガの体操から瞑想のヨーガヘと、少しずつ移ってきている煩向にあります。  ハタヨーガの体操によって身体が健康になり、TM法などの瞑想法によって心が健康になることは、数千年来のインドのヨギたちの体験によっても、アメリカ、ヨーロッパ、日本などのヨーガ実修者によっても、体験的に裏づけられ、確かめられてきました。

 けれども、ヨーガの究極の目的は、身体や心を健全にするだけでなく、人間の存在そのものを霊的に進化させ、宇宙の絶対者と一体にならしめるところにあるのです。 この人間を霊的に進化させる方法は、古来から、師子相伝の秘法といわれ、優れた弟子にだけ、師匠が直々に伝えたものです。この本は、この師子相伝の秘法の、重要な部分を教えようという目的をもって記述したものです。そのような秘伝を、なぜ一般に公開するのか、という疑問を持たれることでしょう。

 これについては、現代は一つの移行期であるから、とお答えしたいと思います。つまり、宇宙誕生、地球誕生、人類誕生という大きな宇宙の歩みの中で、宇宙創造の神の意志の働きに、ある時期は物質的世界の歩みに重きをおき、ある時期は霊的世界の歩みに重きをおくという、二大潮流があるように思われます。そして、現代は、物質的世界から霊的世界への移行期にあたる時期のように思われるのです。  この移行期において、人類の内から霊的進化を達成しようとする人、あるいは達成した人が多数あらわれることは、私たちの願いであり、宇宙の歩みにも沿った快挙といえるでしょう。これが、この本を執筆した動機であり、目標なのです。

 この本は、二編に分れています。第一編では、古代から現代に至るまで、数千年にわたって伝えられ、実修されているタントラヨーガの行法、すなわち霊的進化のための行法とその補助的な行法を、詳細に述べました。その主流となるのはチャクラの覚醒法であり、補助的行法は、さまざまなアーサナ(体操、坐法)、プラナヤーマ (呼吸法)、バンドハ (繋縛印)、ムドラ(印)などです。

 第二編では、人間が霊的進化をとげるカナメともいえるチャクラについて、古代のウパニシャットから現代のグルに至るまでの体験、教説を紹介し、解説を加えました。私自身のチャクラについての体験や、科学的実験結果も含まれています。  チャクラというのは、物理的次元の人間存在と、雲的次元の人間存在とを結び、その二つの交流を可能とし、それぞれ一方から他方へ転換させる中心的な働きをするものです。

 このタントラヨーガの行法は、私自身が三十年あまり行なってきたものですが、この本を書くにあたって、現代インドのタントラヨーガの代表的グルの一人であるS・サッチァナンダ師の許しを得て、師のタントラヨーガ行法に関する本から、多くの引用をさせていただいたことを、ここに感謝したいと思います。私とサッチァナンダ師とは、まさに因縁浅からぬ間柄なのです。というのは、私の弟子が、サッチァナンダ師のアシュラムにいき、師の弟子も、私の道場にきて修行に励んでいるのです。これからも共に、人類の霊的進化のために努力したいと思っています。

 二十数年前、東京・三鷹の井の頭公園の池の畔にある玉光神社で、七星会をつくり、百名ほどの人々にヨーガを教え、チャクラの話をしました。そのとき以来、いつかチャクラに関する本を書きたいと思っていましたが、このたび二十数年ぶりの念願がかなって、この本を出版できたことを心から嬉しく思います。また、常によき理解と誠心をもって私の本の出版を手伝ってくれた妻、カヲルや、出版部の方々、それに池田書店編集部の方々に深く感謝したいと思います。

 最後に、読者の皆さんの中で、この本を読まれて、チャクラの覚醒法を実修してみたいと思われる方は、国際宗教・超心理学会(IARP)が、毎月、神奈川県小田原の根府川道場で行なっているヨーガの講習会(一泊二日)に出席して、正しい指導を受けられることを、おすすめしたいと思います。

宗教心理学研究所内 国際宗教・超心理学会
昭和53年8月 本山 博

このページのTOPへ


目   次  

まえがき 1   序章 本書の展望  顕と密、陽と陰について
タントラヨーガにおける三つの身心   チャクラ、ナディについて  チャクラの位置と機能
肉体におけるナディについて   チャクラの目覚め

第一編 タントラヨーガの行法

I ヨーガの目的と八支則
1 ヨーガの目的   「自己否定」から「自己実現」へ  主客合一ということ
チャクラの開発とシッディの達成  2 ヨーガの八支則  3 ムドラ、バンドハについて

U 道徳的訓練
ヤーマ、ニヤーマは心のコントロール  ヤーマの五つの項目  ヤーマで得られる霊的な力
ニヤーマの五つの項目

V ヨーガアーサナの種類と技法
1 アーサナとは何か
(1) アーサナの本来の意味   (2) アーサナの歴史的意味

2 ヨーガアーサナの種類
(1) 難易度による三分類 (2) 動的アーサナと静的アーサナ
(3) 私のアーサナの分類法 (4) アーサナを行なうための一般的注意事項

3 第一グループ、プラナの循環促進アーサナ
パワンムクタアーサナ(Pawanmukutasana 邪気を払うア−サナ)とは何か 屍のアーサナ(Shavasana シャパアーサナ)
パワンムクタアーサナ
(1) 足の指を曲げ、動かすアーサナ (2) くるぶしを動かすアーサナ
(3) くるぶしを回サアーサナ  (4) くるぶしをクランク状に回サアーサナ  (5) 膝を屈伸するアーサナ
(6) 膝をクランク状に回サアーサナ (7) 片足のバタフライ・アーサナ (8) 膝の回転アーサナ
(9) 両足のバタフライ・アーサナ (10) 烏歩アーサナ (11) こぶしのアーサナ
(12) 手首を曲げるアーサナ (13) 手首を回サアーサナ
(14) ひじを曲げるアーサナ (15) 肩関節を回サアーサナ

4 手足の関節を動かすアーサナが、プラナの循環を促進させる理由について

5 第ニグループ、スシュムナ調節アーサナ
(1) タダアーサナ(Tadasana) (2) 腕を後ろ上方に上げるアーサナ(ハスタHasta ウツタナアーサナUttanasana)
(3) 体を前に曲げ、手を足につけるアーサナ(パダPada ハスタアーサナHastasana)
(4) ヨーガムドラ(霊的統一のアーサナ) (5)背部を伸ばすアーサナ(パシモツタアーサナPaschimottanasana)
(6) 両足を開き、上体を曲げるアーサナ (7)コブラのアーサナ(ブフジヤンガアーサナBhujangasana)
(8) 弓のアーサナ(ドハヌラアーサナDhanurasana) (9) 鋤のアーサナ(ハラアーサナHalasana)
(10) 魚のアーサナ(マツヤアーサナMatsyasana) (11) トリコナアーサナ(トリコノアーサナTrikonoasana)
(12) 動的な脊柱ねじり体操 (13) 脊柱半ねじりのアーサナ(アードハArdha マツエンドラアーサナMatsyendrasana)
(14) 脊柱をねじり伏し拝むアーサナ(ブフーBhu ナマナアーサナNamanasana) (15) 首の運動

6 第三グループ、瞑想のアーサナ
(1) パドムアーサナ(Padamasana蓮華坐)
(2) シッダアーサナ(Siddhasana 成就のアーサナ) (3) シッダ・ヨニアーサナ(Siddha Yoni asana女性のための成就アーサナ)
(4) パドハ・ヨニアーサナ(Baddha Yoniasana 源泉のアーサナ)

W プラナヤーマ
1 プラナサーマを行なう前に
(1) プラナヤーマとは何か (2) ヨギの呼吸 (3) プラナヤーマを行なうための注意

2 プラナヤ―マの方法
(1) ナディを浄めるプラナヤーマ(ナディNadi ショーダンShodhan プラナヤーマPranayama)
(2) フイゴの呼吸法(バストリカBhastrika プラナヤーマPranayama)
(3) 霊的呼吸法(ウジャイUjjayi プラナヤーマPranayama)
(4) 生命力を刺激する呼吸法(スールヤSurya ベーダBheda プラナヤーマPranayama)
(5) 気絶のプラナヤーマ(モールチハMoorchha プラナヤーマPranayama)

X バンドハの方法
1 バンドハとは何か
2 三つのバンドハの方法 (1) ジャンドハラ・バンドハ(アゴを固定するバンドハ)
(2) ムーラ・バンドハ(会陰を収縮し固定するバンドハ) (3) ウディヤ―ナ・バンドハ

Y ムドラの方
 1 ムドラの意味  2 各種のムドラ
(1) ギアナ・ムドラ(Gyana Mudra)とチン・ムドラ(Chin Mudra) (2) シャンブハビ・ムドラ(Shambhavi Mudra 眉間の凝視) (3) アカシ・ムドラ(Akashi Mudra 内的空間の意識) (4) ブフージャンガニ・ムドラ(Bhujangani Mudra コブラの呼吸) (5) アシュウィニ・ムドラ(Ashwini Mudra 馬のムドラ) (6) カキ・ムドラ(Kaki Mudra 烏のクチバシのムドラ) (7) ケチャリ・ムドラ(Khechari mudra 舌の固定) (8) プラナ・ムドラ(Purana Mudra) (9) ナウムクヒ・ムドラ(Naumukhi Mudra 九門のムドラ) (10) アグニサル・クリヤ(Agnisar Kriya)(バフニサルVahnisar ドハウテイDhauti)

Z 各チャクラの開発法
1 ゴラクシャサタカム(GORAKSA/SATAKAM)に記されたチャクラの 開発法
2 タントラヨーガにおけるチャクラの開発法
(1) アジナチャクラの覚醒法(2) ムーラダーラチャクラの覚醒法(マンドウキManduki クリヤKriya)
(3) スワディスタナチャクラの覚醒法(バジユロリVajroli ムドラMudra)
バッタのアーサナ(シヤラブハアーサナShalabhasana) (4) マニプラチャクラの覚醒法
(5) マニプラチャクラの覚醒法A―トラタカ(Trataka凝視法) (6) マニプラチャクラの覚醒法B―ナウリ(Nauli 腹のマッサージ)
(7) アナハタチャクラの覚醒法 (8) ヴィシュダチャクラの覚醒法
(9) ヴィシュダチャクラの覚醒法A―ビパリータ・カラニ・ムドラ(Vipareeta Karani Mudra)
(10) ビンド・ヴィサルガの覚醒法 (11) サハスララチャクラの覚醒法
(12) チャクラが目覚めて、身、心、霊に生ずる変化

第二編 チャクラ、ナディに関する教説   人間は三つの身体と三つの心をもつ

I ウパニシャットにみられるチャクラ、ナディ
1 チャクラ、ナディについて
 (1) チャクラの位置、構造と作用  (2) チャクラの体験と認知 (3) ナディとは何か
2 ナディと経絡
(1) ナディと経絡との比較   (2) どのナディがどの経絡にあたるか
 スシュムナナディ  イダナディ、ピンガラナディ    ガンダーリナディ
 ハスティジフバナディ  ヤシャスヴィニナデ  アランプサーナディ   クフナディ
 シャンキーニナディ  サラスワティナディ    パールナナディ   パヤスヴィニナディ
 シューラナディ   ヴィシュオダーリナディ    パジュラナディ、チトリニナディ

3 十風について
(1) 五風について   (2) 小五風について  (3) 五風と三焦

U サッチァナンダの説くチャクラ、ナディ

 1 アジナチャクラ
 (1) アジナの意味と位置 (2) アジナとムーラダーラは直結している
 (3) アジナヘの精神集中によって心身に生ずる変化
 (4) アジナチャクラのシンボルとマントラ  (5) アストラル体の三つの色(オーラ)
 (6) アジナヘの集中によって解放された松果腺のエネルギーの働き

 2 ムーラダーラチャクラ
 (1) ムーラダーラチャクラの意味と位置
 (2) ムーラダーラチャクラの内のブラフマグランティ (3) ムーラダーラチャクラのシンボルとマントラ
 (4) クンダリニーについて (5) ムーラダーラ、クンダリニーの目覚めによって身心に生ずる変化
 (6) ナディ(イダ、ピンガラ、スシュムナ)について
 (7) ムーラダーラより下位のチャクラとムーラダーラチャクラ  (8) ムーラダーラチャクラのシンボル
 (9) チャクラのシンボル、ヤントラ、マントラについて

 3 スワディスタナチャクラ
 (1) スワディスタナチャクラの意味と位置  (2) スワディスタナチャクラは無意識のチャクラ
 (3) スワディスタナとカルマ  (4) 人間の進化についてのサッチァナンダの考え
 (5) スワディスタナの働きとシンボル、超能力について

 4 マニプラチャクラ
 (1) マニプラチャクラの位置、意味とその重要性  (2) マニプラチャクラの働き
 (3) マニプラが目覚めて生じる超能力  (4) マニプラチャクラのシンボルについて

  5 アナハタチャクラ
 (1) アナハタチャクラの意味と位置  (2) アナハタチャクラとカルマ、願望成就  (3) アナハタ覚醒に関する注意と警告
 (4) アナハタチャクラが目覚めて生ずる超能力  (5) アナハタチャクラのシンボル、マントラについて

  6 ヴィシュティ (ヴィシュダ)チャクラ
 (1) ヴィシュディチャクラの位置と意味 (2) ヴィシュディチャクラの特徴と働き、超能力
 (3) ヴィシュディチャクラが目覚めて生ずる超能力   (4) ヴィシュディチャクラのシンボル、マントラ
 
 7 ピンド・ヴィサルガ(Bindu Visargha)
  (1) ビンド・ヴィサルガの位置と意味   (2) ビンド・ヴィサルガの特徴と働き
  (3) ピンド・ヴィサルガの目覚めによって生ずる超能力  (3) ビンド・ヴィサルガのシンボル

V 私のチャクラに関する体験
 1 チャクラについての問題提起 
 2 私のチャクラの体験 
 (1) ムーラダーラチャクラの目覚め  (2) スワディスタナチャクラの目覚め
 (3) マニプラチャクラの目覚め   (4) アナハタチャクラの目覚め
 (5) ヴィシュダチャクラの目覚め   (6) アジナチャクラの目覚め
 (7) サハスララチャクラの目覚め   (8) チャクラの体験における重要事項

W 私のチャクラ、経絡(ナディ)に関する実験と考察
 1 チャクラの存在に関する生理学的実験
 (1) 疾病傾向調査   (2) へッド帯刺激を通じての各臓器の機能検査
 (3) EGC・Plethysmogramによる検査
 2 Psi能力、チャクラ、経絡の密接な関係
 (1) 経絡機能測定結果とチャクラ、Psi能力の関係
  (2) 生体エネルギー測定器(チャクラマシン)の測定結果と、チャクラ、 Psi能力との関係についての報告例 (3) むすび
 3 チャクラにおけるPsiエネルギーの諸性質 
 (1) Psiエネルギーは物理的エネルギーを消滅させる
 (2) Psiエネルギーは物理的次元のエネルギーを創造する
 (3) 要約
 4 私のチャクラ、ナディに関する考えの要約
 (1) チャクラ、ナディの存在について (2) チャクラ、ナディの機能、性質について
 (3) カルマとチャクラの関係 (4)チャクラと悟りについて  (5) 一つのチャクラの乱用は危険

このページのTOPへ


愛読者 「密教ヨーガ」の感想

素晴らしい。自己流で瞑想をしていたので、ここまで教えてくれる本に出逢えての幸運に感謝している。
  (A・K 静岡市 女性 無職 52歳)

まだ、途中までしか読んでいないのですが、これらを実践することによって、人生が豊かになればと思います。秘法的な内容でも、本山先生の著書なので安心して読める気がします。
  (K・Y 川口市 女性  38歳)

僧堂の修行(曹洞宗)では、中途半端な座禅しかできておらず悔いております。正しいヨーガの方法を学びたいと思います。
  (T・M 大阪市 男性  34歳 僧侶)

内容が多岐にわたっているのに各項目の説明が詳細なのに感動しました。必携の一冊です。(浦和区 H・Iさん 男性48歳 会社員)

私もヨーガや禅を少しやっているので非常に興味深く読ませていただきました。チャクラの覚醒法を実習してみたいと思った。
  (S・K 逗子市 男性 会社員 38歳)

他人からの薦めで読ませて頂いたが、想像をはるかに上回る良書でした。本山先生をご尊敬申し上げます。
  (神奈川 S・Mさん)


国際宗教・超心理学会 (IARP) 創立者・名誉会長 本山 博  ヨーガ・瞑想の実習 体験セミナー等の案内


元に戻る            このページのTOPへ