説明
世に多くの予言があり、それらはいつ天変地変が起きるとか、戦争が起きるとかの類が多く、人びとは半ば興味をもち、半ば恐れをもってみるように思われます。しかし、この本に収録されている予言は、今から千~三千年の内に人類や地球社会がどのように進化発展していくかをお示しになっに宇宙創造神のご経綸と、この世に神の国が実現することは、自らの感情を克服、制御できない現在の人類には不可能で、智慧と愛に満ち、自己執着から自由であり、霊的に高度に成長した霊のこの世への出現によってのみ可能であること等を示したものです。
今から約六十年前の昭和七年二月六日に、母(著者の法母、本山キヌ工師)に宇宙創造の神が玉光大神という御神名でお降りになり、『これより五年の後、天が逆さになるような戦争が起きるから、世界を救うために降臨した』というご神言をお与えになりました。それ以来、宇宙創造神のご神言のままに、世界のお祈り、国、民族のお祈り、個人のお祈りを、信者一同と共に行なってきました。
この約六十年間のご神言と、世界の国ぐにや日本の動きを照らし合わせてみると、人間の社会、地球、字宙が、神のご経綸のままに動いているのを深く実感するのです。
世の人びとに、人間も社会も、国も自然も、宇宙も、すべて宇宙創造神の愛と智慧と大いなる力によって進化発展しつつあるのだということを知って戴き、大いなる安心と希望をもって毎日の生活で超作をして戴きたいという深い強い願いをもって、毎年の元日にご啓示戴いたご神言、神の予言の内、記録に残っている一九七四年(昭和四十九年)から今年一九九三年までのものを、この一冊の本に収録してみました。
宇宙創造神の、人類とその社会を進化発展させるご意志とご経綸は、次のように拝察されます。
一、ホリスティック(holistic)な人間観の確立とその実現
ホリスティックな人間とは何でしょうか。
五十年に及ぶ母と私のニ代の長い信仰と宗教体験、心霊相談、人間の医学、心理学的研究をとおして思うことは、人間は身体(肉体、霊体)・心・霊よりなり、そのいずれも個別性(個人性)と普遍性(社会性)をもった全体的存在、多重次元的存在であるということです。この人間の全体的存在性を充足させることのできない社会や人間の生き方は、人間を窒息させ、殺すことになるので、決して存続することはできません。
近いところでは、ソ連邦の共産主義の崩壊は誰も知るところですが、共産主義では、人間を身体的肉体面と社会性のみでとらえます。個人性も、心も、魂をも忘れている。
それらを抑圧するいびつな社会組織やイデオ口ギーの下では、人間はその全存在性を充足させることはできない。崩壊するのは必然の運命と言えるでしょう。
では、アメリカはどうか。建国の精神は、個人の自由、権利、義務を尊重し、人民による人民のための政治、社会性を強調し、その根底に深いプロテスタントの信仰が脈打っていました。
今のアメリカの人びとは、個人の権利、自由と、資本主義杜会での金、財産の獲得に夢中になっていて、プロテスタントの信仰、神への帰依、厳しい杜会性、道徳性は忘れられつつあります。今のアメリカは、人間の存在の全体性を充足させることができない方向に向かいつつある。そして、衰退の兆しをみせています。
アメリカに、建国の精神に立ちかえってもらいたい、さらに、人類にとって初めての経験である地球社会実現のための基礎となる上述のホリスティックな人間観を理解して、世界の指導的国家となるよう進化発展してもらいたいと思います。
二、霊界と顕界の調和と共存
魂の世界の在ることは、科学的にはまだ証明されていません。しかし、超心理学的研究や超能力の量子生物物理学的研究をとおして、霊界の存在が、間接的に、しかし客観的に証明されつつあります。
私は四十~五十年に及ぶ心霊相談を行なってきましにが、霊界の霊たちの苦しみ、民族の魂の苦しみが、いかにこの世の人びと、民族、社会に大きな悪影響を及ぼすかを数限りなくみて、その苦しみ、悪いカルマが成就し、救われ、より自由な、智慧と愛にみらた霊的存在に成長できるように創造神に祈り、創造神の愛とお力によって、多くの霊、民族のカルマを解いて戴きました。そしてそれらのカルマが解けると、日本や韓国、中国、ソ連等に、社会組織の改革改善、人びとの生活の向上が得られてきたのをみて、創造神の予言とご経綸の確かなことを体験してきました。今後も、霊界と顕界の調和と共存のお祈りをずっと続けていきたいと思っています。
三、自然との調和
自動車の運転や発電のために多くの石油が使われて大気中の炭酸ガスその他が増え続け、森林の破壊により酸素発生量が減少する等、現代の科学文明は人間の住む自然環境を破壊し、地球環境の保全が叫ばれています。しかし、それはあくまでも人間優先の、人間のための自然保護運動であり、ヨーロッパ的、キリスト教的自然観に基づく生態学的自然保護論にすぎません。
ここで人類は、人間と自然とは共に宇宙創造神-宇宙的大自然の生命力の顕現であり、魂の次元では同胞であるという東洋的自然観に基づいて、自然を尊敬し、慈しむ心で自然と接し、自然保護に進むべきであると思われます。
四、地球社会の実現
地球上の人類は、経済的には既に地球社会を実現しつつありますが、ついで、政治、文化、宗教の上で地球社会を組織化することが重要です。そこでは、各民族の民族性を認めつつ、各民族の人びとが、同時に地球社会の人類、同胞であるという自覚をもち、科学、宗教、政治、経済、文化が、独自な知識、智慧と愛と自由に基づいて相互に協調し、作用し合った社会組織をつくり、運営していくことが肝要であります。
五、神の国の実現
地球社会の実現と人類の繁栄は、各民族が、それぞれの文化、政治、宗教の独自性を認めつつ地球人類としての自覚をもち、各個人、各民族の個別性の主張を保ちつつ地球社会の人類としての社会性を充足させれば、地球社会は実現できるでしょう。
しかし神の国の実現については、単なる地球社会の人類にとどまらないで、地球の霊界との共存を保ちつつ、宇宙創造の神の宇宙創造のご経綸に沿って、自己執着、感情がコントロールでき、普遍的真理を愛し、それを実現する人間のみが、神の国をこの世で実現しうる。それには、各人、各霊の、自己に執着することによって生じる因果関係の法則の支配するカルマの世界を超えた、聖なる人間によってのみ達成しうるし、それは可能であると、示唆されています。
この予言書は、従来の予言書のように、難渋な文章で、人間社会の未来の出来事、それも異常な出来事を説くのではなく、近くはこの六十~三百年の人類の歩む道、遠くは二千~三千年先の人類社会のあり方、人類の霊的成長の様を神様が明らかにお示しになったものであります。
註釈として、毎年の元旦に戴いたご啓示の内容が実際にこの世でどのように実現したかを付け加えてありますので、読者の皆さんには、創造神の予言、ご啓示の確かさ、神のご経綸のままにこの世、宇宙が動いていることが実感されるでありましょう。
この書を読まれた後、創造神の大きな愛、智慧、お力を感じとり、大安心をして神に自らの生命を任せ、日々の仕事、生活で超作(すべての行為に全力を尽くし、結果は神にお任せしてとらわれない行為)を行ずることができれば、必ず霊的成長と智慧、愛の力を得られるでありましょう。
最後に、この本の編集と註釈は、本山カヲル、藤枝陽子、下山明子さんたちの懸命な努力によって最善になされたこと、また浦郷正子さんが常にワープロを黙々としかも正確に何回も打ち直してくれたことを記して、感謝の意を表したいと思います。
一九九三年一月八日 本山 博
序文
◇一九七〇年代◇
一九七四年(昭和四十九年)
世界のブロック化の時代に当たって
狭まりゆく地球/世界平和を実現するものは何か/物を超えた世界に目覚めると/三つのイデオロギーの対立/ひとつの危機/註/主なニュース
一九七五年(昭和五十年)
節になる年
必要となる欲望の制御/外からの抑制でなく/力の均衡による制御では真の平和は得られない/欲望のコントロールができる心を/註/主なニュース
一九七六年(昭和五十一年)
三大国家勢力のバランスの変化と日本
国際情勢の変化/戦争にならないように/今年の日本について/註/主なニュース/追記
一九七八年(昭和五十三年)
一切のものをつくるのは心である
今年はよい年/私の研究の目的/プルシャとプラクリティ/心の進化によって/AMIやチャクラマシンによる研究から/神様のお力とPK能力との違い/我なきわれの世界/我なきわれに到る三つの道/正しい願いは必ず実現する/経典『玉の光』と伊邪那岐・伊邪那美神話/自分のない自分の実現を/註/主なニュース
一九七九年(昭和五十四年)
「中」を得る努力を
流れの方向が定まる年/三つの力のバランスの上に/真の世界平和とは/「中を得る」努力を/「中」について/「中」をもたらすもの/祈りと行と/毎日の積み重ねの中から/いつも全体の立場で/「中」の実現を願う/註/主なニュース
◇一九八〇年代◇
一九八〇年(昭和五十五年)
波瀾にとらわれず、自然と人間を大切に
政治・経済の世界に波瀾/神のみが天地創造をなし賜う/神の創造の長い過程の中で/人間は神の宇宙創造の中の花/目先にとらわれず、自然と人間を大切に/信仰を忘れないように/註/主なニュース/参考
一九八一年(昭和五十六年)
変動の前の穏やかな年に当たって
割合穏やかな年/心が決まるということ/信仰をもって心が決まったら/精一杯、したいことを/註/主なニュース
一九八二年(昭和五十七年)
地球の自然環境・日米関係の変化
海流の変化と異常気象/『世界宗教の基盤をつくれ』/日米関係に変化/科学的研究のみでなく/信仰のある家とない家との違い/すべてに通じる宗教を/自然も政治・経済も/註/主なニュース
一九八三年(昭和五十八年)
真実をつかむということ
政治・経済の横ばいと地震について/真実なるものは滅びない/生と死の境から/人間存在の限界を知って/いつか世界中が困る時期が/真実をっかむ努力を/註/主なニュース
一九八四年(昭和五十九年)
顕界・霊界での霊的成長を望む
霊界における霊的進化/霊界の霊的進化のもたらすもの/エネルギー革命について/海水位上昇について/情報化社会へ/註/主なニュース
一九八五年(昭和六十年)
だんだん変化があらわれてくる年
世界について/日常の心がけ/顕界と霊界の霊的成長と調和の祈りを/註/主なニュース
一九八六年(昭和六十一年)
世界共同体実現へ向かって
大きな心配はない/世界共同体化が進む/世界共同体の指導原理を/一人ひとりの心がけ/世界共同体を支えるもの-一人ひとりの霊的成長/カルマによる戦い/「自分」をなくさないと/霊的成長とはなにか/神の国の実現を願う/まとめ/註/主なニュース
一九八七年(昭和六十二年)
物の時代から心の時代への転換期に当たって、清浄な心を保つように
騒々しい世相が生まれる/物に負けない清浄な心を/物に負けない心とは/生きているうちに精一杯の努力を/本務を尽くすための長生き法/主なニュース/参考
一九八八年(昭和六十三年)
世界は民主化の方向へ進む
アイヌと和人の争いのカルマ/日本と朝鮮半島との争いのカルマ/神のご経綸と真の予言について/今年の世界と日本についてのご神言/我なきわれに/註/主なニュース/参考
一九八九年(昭和六十四年.平成元年)
地球社会化へ向けて
波瀾の多い年/地球社会化の進展/地球社会の一員となるためには/集団でものを考える日本人/「物」に対する考え方の東西における違い
/宇宙創造の神/あらゆる被造物は同胞である/宇宙創造神の、玉光大神様としてのお働き/お祈りのあり方と生き方/日本人という枠をこえて/その他のご神言-イデオロギーの空化と地球の社会化/霊の世界における世界宗教/地球社会化の時にあたって/註/主なニュース
◇一九九〇年代◇
一九九〇年(平成二年)一月一日
地球社会実現へ向けて
ご経綸の中でのご神言/三つの世界に分かれ分かれて/各世界間の格差/格差をつくるもの/格差はご神意に沿わない/地球社会実現へ向けて/東欧の民主化とECの達成/アジアについて/日本経済とそのかげり/アメリカ、ソ連、第三世界の動き/ご神意に沿い奉ったお祈りを/霊的成長を望む/自由と光を/ただ一度だけでも/註
一九九〇年(平成二年)十月二十三日
世界がーつになれるようにお祈りを
世界が一つになるための転換期ノ湾岸危機をめぐって/世界が一つになるためのお祈り/ソ連圏での異変を危ぶむ/註/主なニュース
一九九一年(平成三年)
世界の大きな流れ
ソ連について/湾岸危機について/エネルギー革命について/日本について/地球のウィークポイント/天変地変について/国際的教育機関の出現について/株の泡沫現象について/神様のお力によって/註/主なニュース
一九九二年(平成四年)
さらなる霊的成長を
世界変革の方向と人間のもつ五つの要素/旧共産圏での民主革命について/第三世界の国ぐにについて/科学と宗教の結びつきとCIHSについて/科学技術の発達とそれのもたらす弊害について/資本主義体制の将来について/新しい人類による神の国の実現について/日本について/お祈りと超作を/註/主なニュース
一九九三年(平成五年)
自然と人間の内の神性への自覚を
―低迷と錯誤を打ち破るもの―
政治・国際情勢について/経済について/人類の霊的成長/天変地変について/発展途上国への援助/宗教について/魂を忘れた物質的豊かさの追求は地球を滅ぼす/自然の内の神性を尊ぶように/人間同志が共存するだけでなく/註