説明
「DVDパワンムクタアーサナ」について 近藤紗登美
このビデオは、「本山式経絡体操法・基礎編」の中の特徴の一つである、パワンムクタアーサナを取り上げたものです。身体の弱い方、高齢者の方でも無理なくできる優しいアーサナです。
パワン・ムクタ・アーサナとは古代インドで用いられたサンスクリト語(梵語)でパワン=風、ムクタ=解き放つ、アーサナ=姿勢、という意味を持ちます。
ヨーガでは身体を大きく5つに分け、そこで働く生命エネルギーも5つに分けて五風と呼んでいます。心身を養い・働かせる生命力を(パワン)風と表現しているのです。空気が動いて始めて風となるように、循環することで働く生命力である気エネルギーの在りようがよく表現されていますね。
つぎのムクタの“解き放つ”ですが、ここで解き放たれるものは風すなわち気です。
パワンムクタアーサナとは生命エネルギーである気エネルギーの循環促進アーサナというわけです。
気の流れが停滞すると、それは邪気となり生命力を全身に十分届けることができず、心身の正常な活動に支障をきたします。また、気が十分に巡れば気力に満ち、心身は充実し元気になります。このことは、中国の伝統医学である経絡医学では周知のことです。
このことからも、生命エネルギーの循環を促進し充実を促すヨーガのなかにおいて、バワンムクタアーサナは重要なアーサナの一つだといえるのです。
パワンムクタアーサナは、老若男女どなたでも、行うことができ、行う速さ・強さ・深さ・回数・保持する時間などによって心身への様々な効果が期待できます。
初級のアーサナに分類されることもあり、動き自体は至ってシンプルではあるものの、手足の各関節を一つ一つ丁寧に、また行う各人の関節の可動域の中で無理なく、過不足の無い、十分コントロールされたアーサナとするには、なかなか奥の深いものがあります。
全身の関節を複合的に用いる一見アクロバティックなアーサナも、手足の関節や脊椎関節を動くべき正しい方向にバランスよく、無理のない可動域を用い、各関節の動きを十分コントロールした結果の姿勢であることを考えれば、脊椎の動きとパワンムクタアーサナの結果の結合が複雑なアーサナとなることがわかります。
また、気の流れが良くなり、気のバランスが整うことは、瞑想の実践においても重要な意味を持ちます。気の流れが良くなり気力が充実するほどに、下実上平が実現し、これは瞑想において基本的なことであり、瞑想の姿勢を保つためにも、大きな助けとなり、瞑想の第一歩となるのです。
このパワンムクタアーサナは、毎日の習慣として行っていただくことはもちろんですが、より効果的なものとするには、心身の状態を内観しつつ集中して行うことが必要です。
そのためにも、是非DVDをご活用ください。視聴しながら行うと、理想とする動きを目で見ることができますので、正しい動きのイメージを持ちつつ、その対比によって自分の動きが良く観えるようなり、関節の動きをコントロールする力が養われます。また音声を聴きながらの実修なので、音に集中するため雑念が湧きにくく、ご自宅で つい家事などに気を取られて散漫になりがちな気を、散らすことなく行うことができ、さらに自分で次の動きを考えなくても良い分、思考も止まりやすく、より俯瞰して自己の心身を観ることができます。自己を観る力を高めることで、より本質を観る力も養われます。これらのことからも先天的知能とも言われる自然治癒力が十二分に発揮されるのです。
なかなかクラスにご参加いただけない方はもちろん、定期的に通われておられる方もご自宅での研鑽にお役立てください。
共に霊的成長を目指して精進してまいりましょう。