説明
私は幼少の頃から母に連れられ、母の指導の元、厳しい宗教的修行をした結果、霊の姿を視、声を聞き、神様の声を聞き、その内容が現実にあったことを屡々経験してきた。長じて学校に入ると、誰も、霊の世界、神の世界を信じてくれなかった。
そのために、子どもの頃から、真実とは何かを常に問うて成長したように思う。
大学で哲学を学んだが、理論だけでは真理を把握できないと悟り、二十四歳から、ヨーガ、断食、毎夜三時間の睡眠、長時間の瞑想の行を始めた。自己の個人的存在性の殻を破り、人間の存在性をこえた霊、神々、神との合一に至る霊的進化のために、数年間、毎日、命をかけて行に励んだ。この間の、神との合一に至る宗教的経験を存在論的に解明したのが、第一章の「宗教経験と存在」の章である。
この章を書きつつ、この宗教経験の世界を何らかの方法で科学的に証明しないと、一般人、科学者には理解してもらえないと思った。それから物理学、電気学、数学、統計学、生物学、生理学、解剖学等を夢中になって勉強し、経絡の気エネルギー、自律神経、免疫系の機能を測定するAMIその他の新しい器械も三~五個発明し、それらを使って、物理的時空に制約されないPsiのエネルギーと物理的時空に制約される物理的エネルギー間の転換を行なう気エネルギーの機能を科学的に証明し、さらに、Psiのエネルギーのセンターであるチャクラの存在を科学的に証明した。
以上のような、宗教経験による霊的進化と、それによって生じる身体的変化、Psiエネルギーのコントロールによる物理的現象の生起等を、上記のAMIその他の機器で科学的に実験し、証明した。
上の宗教経験とAMIによる科学的実験の結果とを通じて、物理的世界における存在の相互作用とその因果関係、物理的時空をこえた霊、神々の世界における存在と相互作用、遂には究極的存在である創造神と、これらの物理的世界、霊的世界とを貫いて双方向の自己否定を通じて働く相互作用を明らかにした。
このようにして、物理的科学の真理、超物理的霊、神々の世界の真理、霊、神々の世界をこえた神の世界の真理、それらを貫く普遍的真理を、具体的体験と実験結果を説明しつつ、論理的、物理的に明らかにしたのが本書である。
第二章では、以下について明らかにした。
セム族宗教のキリスト教、イスラム、ユダヤ教は、A=A、A≠nonAの同一律に拘り、キリストやムハンマドが神との一致において体得した神の意識の内では凡てが同質の1である。この1は、1+1=2、1―1=0の1ではなく、無限の1を同質のものとして包摂する1であることをないがしろにし、神に救われた魂も、天国で個性をもった一つの魂として区別する。
アジアの宗教、仏教では、凡ての存在は縁によって生じる相互依存的存在であり、無自性であり、自主独立的存在はないと説く。しかし、無自性の筈の個々の人間もそれぞれ異なった独自性をもち、霊界においても個人性をもつ魂である。個としての存在性を超越し、解脱しない限り、この個人性は持続する。これを仏教では無明と言う。
セム族宗教は人間存在の個別性、A=A、A≠nonAを固守し、仏教は無差別性、同質性、A=A、A=nonAを主張して、個別性を無視する。
何れも、人間や自然の真の存在性を捉えることが欠けていることを明らかにした。
第三章の「種々の存在次元における存在と相互作用の論理」では、自然、人間、神の存在性、それらの相互作用と、それらを超えた絶対について、存在論、相互作用の観点から、一種の形而上学的論理学を数式を用いて構成してみた。
セム族宗教と仏教とを統合し、新しい世界宗教を展開する論理学である。
2005年5月8日
本山 博
宗教経験と存在 ―宗教経験の存在的構造―
- (1)宗教経験と新意識について
- (2)宗教経験の段階と種類
- (3)宗教経験の各段階は三の段階を有つ
- (4)宗教経験の各段階のもつ3段階における普遍的本質的なものと、高い段階の3段階と低い段階のそれとの間における相違
- (5)「宗教経験における超意識と無意識」の内で言う宗教経験の階梯と、「宗教経験と存在」の内で言うそれとの関係
- (6)存在と意識、およびより高い存在への進化 (7)横の関係、縦の関係、絶対無について
形而上学的論理学
- (1)同一律に基づいた存在様式、論理と、弁証法に基づいたそれらとの相違
-物理的世界と霊界とにおける存在様式と働きの相違- - (2)実験者が実験者のチャクラより送ったPsiエネルギーが、そのチャクラに対応する被験者の経絡で、
被験者の気のエネルギーを増減する -実験データの統計解析に基づいて-
種々の存在次元における存在と相互作用の論理
- (1)因果関係
- (2)縁起について
- (3)種々の存在次元での因果関係と相違
序
宗教経験と存在―宗教経験の存在的構造―
- 序
- (1) 宗教経験と新意識について
- (2) 宗教経験の段階と種類
- (3) 宗教経験の各段階は三つの段階を有つ
- 霊感(対立における部分的交渉)
- 第1段階(単純な一致)
- 第2段階(エクスタシー)
- 無意識的無感覚的脱自状態
- 意識的になったエクスタシー
- 第3段階(神霊との全き一致)
- (4) 宗教経験の各段階のもつ3段階における普遍的本質的なものと、高い段階の3段階と低い段階のそれとの間における相違
- (5)「宗教経験における超意識と無意識」の内で言う宗教経験の階梯と、「宗教経験と存在」の内で言うそれとの関係
- (6) 存在と意識、およびより高い存在への進化
- (7) 横の関係、縦の関係、絶対無について
- 〔付録〕宗教経験の具体的実例
- 霊感
- 第1段階の宗教経験(単純な一致)
- 第2段階の宗教経験
- 無意識的無感覚的脱自状態
- 意識的になったエクスタシー(霊視,霊聴の実例)
- 第3段階の宗教経験
- 結語
形而上学的論理学
- 序
- (1) 同一律に基づいた存在様式、論理と、弁証法に基づいたそれらとの相違―物理的世界と霊界とにおける存在様式と働きの相違―
- 同一律に基づいた存在様式と論理
- 同一律、A=A、A≠non Aの存在論的論理構造
- 弁証法的世界における論理と数理
- 霊界での存在論理と数式
- アストラル界の存在論理と数理
- カラーナ界における存在論理と数理
- プルシャの純粋精神における存在論理と数理
- 絶対無における存在と論理
- (2) 実験者が実験者のチャクラより送ったPsiエネルギーが、そのチャクラに対応する被験者の経絡で、被験者の気のエネルギーを増減する―実験データの統計解析に基づいて―
- Aクラス
- Bクラス
- Cクラス
- 結論
種々の存在次元における存在と相互作用の論理
- (1) 因果関係
- 因果関係の定義
- 場所的存在について
- 相異なる存在が相互作用しうるのは何故か
- 神我(プルシャ)の超意識―超時空的場所の意識―
- 即非の論理
- 即非の論理を裏付ける神秘体験
- 自力による人間存在の否定の極限
- 瞑想行
- 流入
- クンダリニーの目覚め
- 神我(プルシャ)の超意識
- アストラル・プロジェクション
- カラーナ・プロジェクション
- 神我(プルシャ)の超意識
- 神我(プルシャ)による創造
- 大出血を治す
- 金柑の木を生き返らす
- 宝石の力
- 神我による創造
- 神我と被造物の間の相互否定を通じての即非の関係
- 色即是空
- 因果関係は、因果を超えた空の世界との即非の論理の関係で成り立つ
- 即非の論理を裏付ける神秘体験
- (2) 縁起について
- 縁と起の関係
- 無自性が実有をもつか
- 一切の存在は究極的には空である
- (3) 種々の存在次元での因果関係と相連
- 物理的次元の存在間の因果関係
- 素粒子(量子)、原子、分子、エネルギー次元での因果関係
- 生物体における因果関係
- 人間の心、意識と外界との相互作用、囚果関係
- 感覚、知覚における外界との相互作用は、必然的法則による因果関係である
- 思考、思惟も時空に制約される
- 自由意志と時空
- 記憶と時空
- 霊界での超時空的因果関係
- アストラル世界での超感覚の超時空性
- アストラル下界の因果関係
- アストラル上界の因果関係
- カラーナの世界での因果関係
- カラーナの魂
- カラーナの魂の知的直観
- カラーナの魂間の相互作用
- カラーナの魂と、垂直関係の自己否定を通して生じた諸存在との相互作用
- カラーナの魂の魔性への移行の可能性
- アストラル世界での超感覚の超時空性
- 神我(ブルシャ)での囚果関係
- 神我の間の相互作用
- 神我と原物質との相互作用
- 原物質による無秩序への作用
- 神我の内に同質の一として包摂される諸存在間には相互作用はない
- 垂直関係の自己否定を通じての相互作用
- カラーナの魂の知的直観と神我の創造的直観との相違
- 創造神における相互作用
- 創造神には同一次元での相互作用はない
- 創造神の内に包摂される一切の存在間には相互作用はない
- 絶対無即絶対有―空―
- 物理的次元の存在間の因果関係