説明
近代の医学では、イタリアを中心に(1500年代)死体の解剖で解剖学が盛んとなり、ハーベイ(英、1628年)は体循環を含む血液循環の原理を明らかにし、同時に、生理学の実験的研究の道が開かれた。1620年代には、イタリアの学者達によって顕微鏡が生物の微細な構造についての研究に使われ始め、フックはコルクの死んだ組織から細胞を発見した。1800年代には、フランスやドイツの学者達によって、植物も動物も人体も細胞によって構成されているという細胞説が立てられた。1900年代の今日では、細胞を、それを構成する分子や量子の立場からみる分子生物学、量子生物学が発達し、医学も生体の生理的現象を分子や量子の次元で観察研究するまでに至った。
併し、分子にしても量子にしても、現代物理学によれば、物質的エネルギーが一定の秩序の下に集まり働く時、一定の質量に転換することを教えている。そこで、生体を構成する細胞、それらを構成する分子、量子も、一定の秩序の下に集まり働くエネルギー系(生体エネルギー系)として捉えることが可能であろうと推測される。
長年の経絡、気エネルギーに関する電磁気学的研究に基づいて、生体に存在すると予想される種々の電磁場と、そこにおける電位勾配、それに基づく電気エネルギーの走向等について種々の実験を行い、生体に種々の電磁場が存在し、それぞれの電磁場が特定の電位勾配と電磁気エネルギーの流れの方向をもっていること、男女間で逆の関係がみられること、生体の電磁場は外界の気象因子に大きな影響を受けること等が明らかとなった。
生体におけるエネルギー場について
I 生体におけるエネルギー場の研究
I)目的
Ⅱ)実験方法とデータの解析
1) BPについて
2) 表面電位について
3) 電気エネルギーの走向と、兪穴、募穴への到達について
Ⅲ)データの分析と考察
1) BPについて
(1)女性 (2)男性 (3)むすび
2) 表面電位について
(1)女性について (2)男性について (3)むすび
3) 井穴刺戟→兪穴・募穴反応テストのデータの分析
(1)女性について (2)男性について (3)むすび
4) 結論
Ⅱ 督脈―任脈の電位勾配について
I)目的
Ⅱ)実験方法
Ⅲ)データの分析と考察
1) 任脈、督脈における電位勾配の男女間の比較
(1)任脈について (2)督脈について (3)むすび
2) 督脈、任脈の電位勾配について(第2回目の検査データに基づく)
3) 督脈、任脈の電位勾配について(第3回目の検査データに基づく)
(1)電位勾配の男女間の逆位相関係を督脈についてみる
(2)電位勾配の男女間の逆位相関係を任脈についてみる
(3)むすび
4) 結論
Ⅲ 兪穴―募穴間の電位勾配
I)目的
Ⅱ)実験方法
Ⅲ)データの分析と考察
1) 女性について
2) 男性について
3) 男女の比較
Ⅳ 長強―曲骨間の電位勾配について
I)目的
Ⅱ)データの分析と考察
1) 女性について
2) 男性について
3) 雨―曇のデータと、晴―曇のデータの各々について、男女間に督脈(長強)、任脈(曲骨)間の電位勾配に相違があるかどうかをみる
Ⅴ サハスラーラとムーラダーラ間の電位勾配について
―磁気の両点への影響を調べる―
I)目的
Ⅱ)実験方法
Ⅲ)データの分析と考察
1) 9月のデータの分析、考察と結論
2) 10月のデータの分析、考察と結論
3) 1)と2)に関する結論
Ⅵ 磁石のN極とS極の、経絡への影響の相違について
I)目的
Ⅱ)実験方法と測定点選択の理由
Ⅲ)データの分析と考察
1) 正経におけるN,S極による電位変化
2) 督脈、任脈の合流点におけるN,S極による電位変化
Ⅳ)結論
Ⅶ 生体電位に影響を与える外界の気象因子について
I)目的
Ⅱ)データの分析と考察
Ⅲ)結論
Ⅷ 生体電位と空間電位、湿度、温度、気圧との相関について
―第2回実験―
I)目的
Ⅱ)実験方法
Ⅲ)データの分析と考察
1) 肺の井穴での生体電位と外界の気象因子との相関
2) 大腸井穴での生体電位と外界の気象因子との相関
3) 結論
Ⅸ 置鍼による生体電位変化
I)目的
Ⅱ)実験方法
Ⅲ)データの分析と考察
Ⅳ)結論
Ⅹ 全体の結論
Ⅰ)論文Ⅰ~Ⅸの各々の結論の要約
Ⅱ)Ⅰ)の結論に基づいた考察と新しい結論